東日本大震災14年、鎮魂の祈り 原発事故、今も戻れぬ古里
2万2千人以上が亡くなった戦後最悪の自然災害、東日本大震災は11日、発生から14年となり岩手、宮城、福島3県では早朝から人々が犠牲者を悼んだ。東京電力福島第1原発事故などで今も約2万8千人が避難し、原発周辺には自由に立ち入れない土地が残る。
「生かされた身だから、これからも震災と向き合っていく」。町職員ら43人が犠牲になった宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎で一命を取り留めた職員及川明さん(62)は現地を訪れ献花。亡き同僚らに「慰霊碑が役場敷地内に建った」と伝えた。
第1原発が立地する福島県大熊町では、避難先で亡くなった住民の名を刻んだ石碑が2月に完成。建立した地元区長が訪れる。
岩手県大船渡市は14年前の津波に続き、2月26日発生の山林火災で大きな被害に遭った。家を失った人たちが避難所暮らしを強いられている。
津波で浸水しながら重大事故を免れた東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機は昨年秋、被災地で初めて再稼働。11日も発電した。