性被害の長女「人生が終わった」 富山地裁、父親被告公判で証言
富山県黒部市の自宅で、高校生だった長女に性的暴行をしたとして、準強姦罪に問われた父親の無職大門広治被告(53)の第2回公判が11日、富山地裁で開かれた。長女福山里帆さん(25)が証人出廷し、検察側の質問に対し初めて暴行を受けたときを「絶望的だな、人生が終わったな」と思ったと振り返り「魂が抜けて見下ろしているような感じだった」と証言した。
福山さんは実名を明らかにして被害を訴えている。この日「過去にあったことをなかったことにはできない。同じ経験をしている人の力になれば」と語った。被告には「なぜ私にこのようなことをしたのかを聞きたい。できるだけ罪を重くしてほしい」と訴えた。
中学生の時、帰宅時間が遅いと被告から怒鳴られながら髪を引っ張られたり、平手でたたかれたりしたと証言。「力が強く怖くて泣いていた」と述べた。
被告は24年12月の初公判で「逆らえない状態ではなかった」として無罪を主張。起訴内容などによると「言うこと聞かないと食事与えない」などの脅しや、教科書で殴るなどの暴行を繰り返したとしている。