性被害「現実少しでも伝われば」 父の公判に出廷、福山さんが会見
「被告が近くにいることに動転したが、力を出せた」。準強姦罪に問われた大門広治被告(53)の富山地裁公判に証人出廷した被害者の長女福山里帆さん(25)は終了後、記者会見に臨み、緊張が残る面持ちで振り返った。「上手に話せない部分もあったが、これが性被害の現実だと少しでも伝わればいい。性被害のない社会をつくるため、考えるきっかけになればと思う」と強調した。
法廷では、福山さんが座る証言台と被告席との間についたてが設けられ、検察官、被告側弁護人、裁判官がそれぞれ福山さんに被害に遭った際の状況や心境などを尋ねた。福山さんは時折声を震わせながら答え、被告はメモを取り聞いていた。尋問の途中、福山さんの体調を考慮して一時休廷する場面もあった。
福山さんは会見で、被告と同じ空間で証言したことについて「自分の中でやりきったという形を選びたかった。『(被告に)聞こえる場所で話してやる』という私の意地だった」と涙ながらに語った。