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【独自】水道管耐震計画27%未作成 自治体、災害への備え不十分

 石川県輪島市で進む水道管の復旧工事=昨年1月30日

 水道事業を営む1380の自治体・広域自治体のうち、27%の374は主要水道管の耐震化計画を作成していないことが16日、2024年3月末時点の政府調査で分かった。阪神大震災を契機に遅くとも約30年前の1997年には作成を促していたが、人員不足を背景に災害への備えが不十分なままだ。能登半島地震を受け政府は昨年9月、改めて作成を求めた。

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 自治体向けの指針によると、計画には向こう10年程度に耐震化する範囲や目標とする耐震化率などを盛り込む。作成するかどうかは任意だ。主要水道管は導水管、送水管、配水本管。耐震化するには地面を掘り起こし、接続部が外れにくい構造の管に交換するなど時間や費用がかかるため、政府は計画の作成が重要としている。

 水道関連施設(浄水場、配水池、取水施設)の耐震化計画が未作成なのは31%の428だった。主要水道管を含め、いずれも災害で損壊すると、水道システム全体が機能不全となりかねない。

 自治体名は明らかになっていない。

共同通信