「麻原信じたことが一番の罪」 妻に語った土谷正実元死刑囚
オウム真理教による地下鉄サリン事件から30年を前に、教団幹部だった土谷正実元死刑囚の妻が、17日までに共同通信の取材に応じた。元死刑囚はかつて法廷で松本智津夫元死刑囚=教祖名・麻原彰晃=への帰依を口にしたが、妻とのやりとりを通じ事件の悲惨さを認識し、「麻原を信じたのが一番の罪」と語ったという。
土谷元死刑囚はサリンを製造するなど多くの事件に関わった。妻によると、中学2年の時、塾講師だった元死刑囚と知り合いに。高校受験を機に疎遠となり、以降は連絡を取っていなかった。だが、刑事裁判中だった元死刑囚から2006年に突然手紙が届き、交流を再開。08年に結婚した。
交流当初は、教団を自衛するためにサリンを製造したとし「こんなことになって訳が分からない」と人ごとのような受け止めだった。妻から「被害者が私だと考えたら?」などと尋ねられるうち、重大性を認識するようになったという。妻は、もっと内省を深めてほしい部分があったとしながら「自尊心が人一倍強い人だったから、本人なりの後悔、全否定と感じた」と話した。