閉じる

【独自】民間企業が遺体の解剖実習ツアー 米で、スポーツトレーナーら参加

 米国での解剖実習ツアーの概要

 マッサージ関連事業を営む複数の民間企業が米ハワイなどで遺体の解剖実習ツアーを相次いで企画、開催していることが17日、関係者への取材で分かった。日本では原則として解剖実習を認められていないスポーツトレーナーやヨガのインストラクター、マッサージ師が参加していた。

全国・海外の詳しいニュースはこちら

 企業側は「ハワイではトレーナーやマッサージ師の解剖は認められており、違法ではない」と主張。日本解剖学会は「有償の海外解剖ツアーが横行すれば、献体者の篤志によって成り立つ国内の献体制度への信頼を損なう。日本の医療全体に悪影響を与える」として、新たな倫理指針を策定した。

 マッサージ関連事業を営む東京の企業はセミナー参加者や、ホームページなどで解剖実習ツアーを宣伝していた。

 企業の社長は取材に対し、2020年ごろから実施していると回答。「未熟なインストラクターの指導によるけがを防ぐために必要だ」と強調した。

 国内の医学部や歯学部では学生教育のため遺体解剖の実習を取り入れており、ほとんどが故人の遺志によって無償提供された献体で賄われている。

共同通信

ライブカメラ