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出自知る権利で独自規定、熊本 内密出産制度巡り、慈恵病院

 熊本市の慈恵病院=2024年

 妊娠を周囲に知られたくない女性が病院のみに身元を明かし出産する「内密出産制度」を巡り、国内で唯一導入する熊本市の慈恵病院と同市が設置した検討会は21日、生まれた子どもの「出自を知る権利」の保障に関する規定を独自にまとめ、報告書を公表した。実父母の情報の開示には親本人の同意が原則必要とし、子が開示請求できる年齢は「18歳が適切」などとしたのが主な内容。

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 出自を知る権利を明確に定めた法律が日本になく、出自情報の扱いは病院側に委ねられていると指摘。国には出自情報の管理を巡る法制化の検討を求めた。

 慈恵病院は弁護士や学識者、市幹部らと23年に検討会をつくり、議論を重ねてきた。

 報告書は出自情報を大きく二つに分類。このうち「父母の情報」には親の個人情報や妊娠の経緯が含まれ、病院などが保管する。開示には請求時に親の同意を得ることが原則必要で、特に親の身元情報は同意が必須とした。もう一つの「子の情報」は、既往歴を含む基礎情報など。開示に親の同意は不要で、子どもの養育者に引き継がれる。

共同通信

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