三井住友・あいおい合併へ 27年4月、損保首位に
MS&ADホールディングスは28日、傘下の三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険が合併に向けた協議を始めると発表した。2027年4月の実現を目指す。国内の損保事業会社としてはそれぞれ3位と4位の規模で、新会社の保険料収入は単純合算で3兆円近くになり、東京海上日動火災保険を抜いて首位に浮上する。
国内損保業界は、損害保険ジャパンと日本興亜損害保険が合併した14年以降、大手4社体制が続いていた。三井住友海上とあいおいの合併で再編は区切りを迎える。
一般企業の売上高に当たる正味収入保険料は、三井住友海上が1兆6千億円超、あいおいは1兆3千億円超。自然災害の多発で保険金の支払いが増え、主力の自動車保険事業も物価高で修理費などがかさんで収支が悪化しており、合併で重複する業務などを効率化して収益力を高める。新会社の名称や合併方式など詳細は準備委員会を立ち上げて詰める。
企業向け保険のカルテル問題などの続発が背景にあり、MS&ADは合併により「法令順守態勢を強化する」と表明した。