再審制度見直し、法制審に諮問 証拠開示在り方など議論本格化
鈴木馨祐法相は28日、法制審議会(法相の諮問機関)の臨時総会で、刑事裁判の再審制度見直しを諮問した。主要な論点として(1)再審請求審における証拠開示の在り方(2)開始決定に対する検察の不服申し立ての制限(3)通常審に関与した裁判官の請求審での忌避申し立て―を例示。審理の長期化といった課題が指摘される中、法改正に関する政府の議論が本格化する。
関連規定は1948年の刑事訴訟法制定から一度も見直されておらず、司法制度の大きな転換点といえる。
制度を巡っては、1966年の静岡県一家4人殺害事件で、確定死刑囚だった袴田巌さん(89)の再審無罪が昨年10月に確定。最初の再審請求から43年が過ぎていた。86年の福井市中3女子殺害事件でも、実刑が確定した前川彰司さん(59)の再審初公判が今月6日に始まり、7月の判決で無罪の公算が大きい。
袴田さんへの判断が覆るきっかけとなった衣類のカラー写真は、第2次請求審で初めて検察が開示。前川さんも第2次請求審で開示された新証拠が再審開始の決め手となっていた。