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プロ野球とJリーグ開催、「6月」か「7月以降」6割

無観客試合で行われた巨人―楽天のオープン戦=3月15日、東京ドーム

 新型コロナウイルスの感染拡大で、今季の開幕戦延期が続くプロ野球と中断中のサッカーJリーグの開幕、再開時期に関し、河北新報社は会員制交流サイト(SNS)の無料通信アプリLINE(ライン)で読者らにアンケートを実施した。開幕、再開を「6月」か「7月以降」とした人が計約6割を占めた。一方で、「今季は無理」と悲観的な回答も約4割と高かった。外出自粛の中、娯楽提供への期待感と感染拡大への強い懸念で意見がほぼ二分された形となった。

 プロ野球は3月20日の開幕が6月以降に延期。2月25日から中断が続くJリーグも、最短の再開目標としていた6月13日以降の再開を未定としている。回答者のうち、開幕や再開を「6月」としたのは23.1%、「7月以降」が36.4%で計59.5%となった。これに対し、「今季は無理」は40.4%と全回答の中で最多だった。

 検討されている無観客での開催方針については「今の段階では是非を判断できない」とする回答が44%で最多。「無観客でも早く開催してほしい」と賛成が32.4%、「観客を入れた通常開催できるまで遅らせるべきだ」と反対が18.4%あった。

 無観客で開催する場合の懸案事項は、「チーム内の感染」が8%、「チームの移動、宿泊による当該地域への感染拡大」が12%。「両方」が73.8%と圧倒的だった。

 調査は4月27~30日、「読者とともに 特別報道室」のLINEで友だち登録する人に実施し、450件の回答があった。

 プロ野球とJリーグは11日に連絡会議を開いた上で、今後の方針を協議する。


◎「安心できるまで延期」「夢を与えて」

 アンケートの自由記述欄には、プロ野球の開幕やJリーグの再開を待望する声や安全面での不安などファン、サポーターからさまざまな思いが寄せられた。

 開幕、再開について慎重な意見が多くあった。「選手やスタッフのリスクを考えると『無観客でも開幕を』とはいえない。命の問題だ」(石巻市・50代女性・主婦)「選手も観客も安心して開催できるまで延期すべきだ」(仙台市・40代男性・公務員)など、感染拡大防止を最優先した判断だ。

 中には「今季の開幕はリスクが高い。我慢するしかない」(名取市・40代男性・会社員)など悲観的な見方も。さらに「仕事も在宅勤務を推奨しているこの時期、プロスポーツだけを特別扱いするべきではない」(多賀城市・50代男性・会社員)など、厳しい指摘も少なくなかった。

 一方で開幕、再開を待ち望む声も根強い。「スポーツの力でみんなに活力を、子どもたちに夢を与えてほしい」(仙台市・40代男性・自営業)「何もかもが自粛で息が詰まりそう。せめてテレビやネットで野球が見たい」(角田市・50代女性・主婦)。

 東日本大震災の経験を基にした意見でも期待と懸念が交錯する。「震災後、スポーツに元気や活力をもらった人も多かった。少しでも日々の生活に彩りを加えられるとうれしい」(宮城県利府町・30代女性・主婦)。「震災の時とは違う。スポーツの底力なら、感染の心配がなくなってから見せてほしい」(太白区・50代女性・主婦)。

 無観客試合については「終息が見えない状況なので、まずは無観客開催を目指すしかない」(太白区・40代男性・会社員)とする容認論の一方、「オープン戦の無観客試合は悲しかった。プロスポーツは万全な状態の選手と、ファンの応援があってこそ開催されるべきだ」(塩釜市・10代女性・高校生)などの意見が分かれた。