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東日本大震災 犠牲者遺骨、親族の元へ 女川

清江さんと判明した遺骨を受け取る照子さん(右)

 東日本大震災の約3週間後に石巻市の金華山沖で見つかった遺体が同市松原町の無職阿部清江さん=当時(86)=と判明し、遺体の収容先となった女川町は21日、遺骨を阿部さんの親族に引き渡した。

 市内に住む親族の阿部照子さんが町役場を訪れ、引き渡しを受けた。照子さんは「お世話になった方に本人も感謝していると思うし、私たちも心から感謝している。これからは安心して休めると思う」と話した。

 県警によると、清江さんは震災当時、入院患者ら64人が犠牲になった市立雄勝病院(石巻市雄勝町)に入院していた。2011年4月3日に病院から約45キロ離れた海上で発見された。同一母系に遺伝するミトコンドリアDNAの鑑定などで特定した。

 清江さんの両親やきょうだいは亡くなっており、行方不明届を出した親族も昨年5月に病死したという。県警捜査1課の菅原信一検視官は「震災から間もなく10年となる。また1体返すことができたが、行方不明届を出した方が存命のうちに返すことができず残念。これからも地道に捜査を続けたい」と話した。

 清江さんの身元判明により、県内で見つかった震災に伴う身元不明遺体は6体、女川町内ではゼロとなった。県警はホームページで身元不明者の似顔絵や特徴などを公開し、情報提供を求めている。連絡先は022(221)7171。

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