女川魚市場、サンマ漁で大健闘 県内一奪還10年ぶり
今シーズンのサンマ漁が23日までに終了した。記録的な不漁の中、女川魚市場は北海道、本州の主要漁港で唯一、水揚げ量、水揚げ金額とも前年を上回る大健闘を見せ、東日本大震災前の2010年以来、県内トップの座を気仙沼から10年ぶりに奪回した。サンマのけん引で、2020年(1~12月)の魚市場全体の水揚げ金額も70億円突破が視野に入ってきた。
女川魚市場へのサンマの初水揚げは10月10日と、最も遅かった昨年10月5日のワースト記録を更新。2年連続で10月にずれ込むスタートとなった。
北海道、東北の主要漁港で厳しい状況が続く中、女川は前年を上回るペースで推移。最終日となった今月14日までの約2カ月余りで計162隻が入港し、5060トンを水揚げした。
金額は全国的な水揚げ量の減少を背景に、1キロ当たりの平均単価は前年の275円から440円にアップしたことで、22億3000万円となった。
記録的な大不漁に見舞われた前年以上の厳しさと言われていたが、結果的には女川は入港17隻、水揚げ量497トン、金額9億7300万円といずれも増だった。
全さんま(全国さんま棒受網漁業協同組合)によると今月10日現在、日本一の水揚げ量を誇る北海道花咲は1万6102トンから8615トンと半減、本州一の大船渡は6318トンから6181トンと微減、気仙沼は5150トンから4365トンにとどまった。
女川魚市場の木村仁取締役部長は「全体的に魚体は小さかったものの、サンマの開きや缶詰など加工原料の需要もあって良かった」と笑顔を見せる。
「サンマ漁が始まる前は正直不安もあった。買い受け人ら業界人の理解、協力にも感謝したい。来年以降も県内トップを続けられるよう頑張りたい」と気を引き締める。
水揚げ金額は21日現在、前年より1億7700万円多い69億3600円。仕事納めの28日までの間での70億円達成を見込んでいる。