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日本善行会、石巻の豊島富美志さんを表彰 獅子風流指導40年

表彰状を披露する豊島さん

 石巻市牧浜のカキ漁師豊島富美志さん(71)が、一般社団法人日本善行会の2020年度秋季善行表彰を受賞した。郷土芸能の「獅子風流」を約40年間、地域の子どもたちに指導し伝承活動を続けていることなどが評価された。

 本年度の秋季善行表彰は全国で413の個人・団体が受賞し、豊島さんは「自然と文化財保護」の部門(11人受賞)で栄誉に輝いた。宮城県内では1人だけだった。

 牧浜獅子風流保存会の会長を務める豊島さんは、途絶えていた牧浜地区の獅子風流を1970年ごろに若者たちと共に復活させた。

 中学生には「ふるさと教育」の一環として、当時の東浜中の校長から依頼され、81年に同校生徒の指導を始めた。翌年荻浜中に統合後は同校で指導を続けている。

 89年からは東浜小の児童に指導しており、今年も全児童7人が10月15日、牧浜など計4カ所のカキ共同処理場を訪問し、獅子風流を披露。地域の漁業者に元気を届けた。

 大人になった豊島さんの“教え子たち”は古里で正月に行われる獅子風流に参加し、地域の伝統文化を受け継いでいる。「獅子風流は心のよりどころであり、地域の絆を強める財産」(豊島さん)として定着し、住民らのかけがえのない存在となっている。

 今回の受賞について、豊島さんは「学校で獅子風流を取り上げてもらったおかげで続けることができた。学校と子どもたちと一緒に受賞したような気持ちだ」と喜んでいる。

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