石巻、女川魚市場 2020年の業務終了
石巻、女川の両魚市場は28日、2020年の業務を終了した。石巻は水揚げ量こそ前年を上回ったものの、金額は目標の180億円を下回り、157億2800万円と低迷した。一方の女川は水揚げ量、金額とも前年を上回り、2年ぶりの70億円突破となった。
■石巻、コウナゴが記録的不漁
石巻魚市場は水揚げ量が10万1332トン、金額は157億2800万円。前年比で水揚げ量は1086トン(101・1%)増えたが、金額は8億900万円(95・1%)減少した。入港隻数も4万5286隻で1854隻少なかった。
春のコウナゴ漁が初めて水揚げゼロと記録的な不漁に見舞われた上、秋サケも半減。新型コロナの影響で、ヒラメなどの高級魚の価格も低迷して厳しい状況が続いた。商業捕鯨も期待したほどの効果はなかった。
一方でドル箱的存在の巻き網のサバは、11月18日の石巻のブランド魚「金華さば」のシーズン到来宣言以降、12月に入ってからまとまった漁が相次ぎ貢献した。来年3月までの豊漁に期待を寄せる。
佐々木茂樹社長は「全体的にコロナの影響が大きかった1年だった」と振り返った。
■女川、サンマ健闘 春漁カバー
女川魚市場は数量4万2967トン、金額70億2200万円。入港隻数は4415隻で951隻減ったものの、数量は前年比7774トン(122・1%)、金額2億6300万円(103・9%)のプラスとなった。
主力のサンマの健闘が光った。全国的な大不漁の中、水揚げは5060トン、金額は22億3000万円を記録。前年比497トン(110・9%)、9億7300万円(177・4%)も増加し、県内トップの座を気仙沼から10年ぶりに奪回した。
サンマの好調は、春漁の主役となるはずだったイサダやメロウドなどの極端な不振に加え、輸入物のチリ産に押されて金額で7億7600万円以上も減少した養殖銀ザケをカバーした。
木村仁取締役部長は「サンマ漁終了後は定置網でイワシ、巻き網のサバが順調に入っている」と、今後にも期待を寄せている。