石巻地方、最低気温が連日氷点下 スリップ事故続出
石巻地方は昨年末から厳しい寒さが続く。仙台管区気象台によると、9日には石巻で43年ぶりとなる氷点下11.1度まで冷え込み、東松島でも同11.1度を観測。女川町も同8.3度を記録した。12日も気温は上がらず、朝からの雪は石巻で最大9センチの積雪となった。スリップ事故も相次いだ。13日以降厳しい寒さはいったん緩むが、17日からは再び気温が下がる見込みだという。
気象台によると、12日午後3時現在での最低気温は石巻が氷点下4・3度(午前5時53分)、東松島市が同3・3度(午前7時16分)、女川町が同2・6度(午前0時36分)と冷え込んだ。日差しも少なく、最高気温は石巻が氷点下1・1度(午後3時)、東松島市が同0・1度(午後2時半)、女川町が1・7度(午後3時3分)とあまり上がらなかった。
石巻署管内ではスリップ事故が18件あった。うち16件が物損事故。人身事故は2件でいずれも軽傷だった。河北署管内ではスリップによる物損事故が4件あった(いずれも正午現在)。
今年、真冬日を観測したのは石巻と東松島がそれぞれ4日間ずつ、女川が2日間。12日まで最低気温は毎日氷点下を記録している。
7日は日中は気温が上昇したが、石巻地方を含む県東部に暴風雪警報が発令され、石巻市住吉町1丁目の大島神社であった「どんと祭」は、例年より約2時間早く点火した。
気象台によると、13日の石巻の最高気温は6度、最低気温は氷点下2度の予報。16日までは寒さも緩み、晴れ間がのぞく見込み。
<凍結トラブル急増>
厳しい冷え込みは多くの家庭や事業所の水道を凍結させ、市民生活に影響を与えた。石巻地方でも、年明け以降、水道管が凍結するトラブルが増加。凍結の危険性が高まる最低気温が氷点下4度以下の日が、昨年12月31日から1月5日の氷点下3.2度を除き、12日まで続いた。
石巻市教委の住吉学校給食センターの温水用水道管が11日夕方に破裂。12日午前中には復旧したが、同日の給食を出すことができず提供校6校(小中各3校)は午前授業となった。
石巻、東松島両市に給水している石巻地方広域水道企業団には1日から11日までに333件の相談が寄せられた。さらに加盟店からは11日現在の集計で、凍結解除や破裂修理など448件の報告があった。
同企業団によると相談や工事が10日余りで100件を超えたことは近年はなく、「まさに桁違い」と驚く。市内の水道工事業者も「家庭はもちろん、年末年始で休みだった事業所からの修理依頼が休み明けに殺到した」と話す。
企業団はホームページで、水道管の凍結や破裂防止のため、水抜き栓の操作方法や、屋外水栓やメーターボックス内の保温などの対策を呼び掛けるとともに「今後も即応態勢で臨む」と気を引き締めている。
<除雪や断熱用品、品薄に>
ホームセンターでは、除雪用品や断熱用品の売り上げが伸びた。
石巻市南中里の「DCMホーマック石巻店」では、プラスチック製スコップや融雪剤がよく売れ、品薄状態に。車の雪下ろし用ブラシや解氷スプレーなどは、メーカーの生産が追いつかず年末から欠品が続いているという。
寒波の影響で、窓に貼るタイプなどの断熱用品が年末からよく出た。9、10日に厳しく冷え込んだことから翌11日が特に売れたという。桜井佑太副店長(35)は「入荷量をだいぶ増やしているが、それでも需要に追いついていない状況。お客さまに足を運んでもらっているのに品薄で心苦しい」と話す。