閉じる

雄勝石で大壁画 児童生徒が制作参加 今春完成の総合支所に展示

雄勝石のスレートに色塗りをする生徒たち

 東日本大震災で全壊し、移転新築が進められている石巻市雄勝総合支所の本庁舎が今春完成するのに合わせ、支所に展示する雄勝石を使った大壁画の制作が15日、同市雄勝小中(児童19人、生徒14人)であった。全校児童生徒たちは壁画完成に思いをはせながら、雄勝石スレートの色塗り作業に取り組んだ。

 使用するスレートは長方形(縦17センチ、横36センチ)と、ほぼ正方形(縦18センチ、横17センチ)の2サイズ。雄勝石絵教室実行委員会が事前に下絵と番号をスレートに描き、児童生徒たちは番号ごとに指定された色をポスターカラーで丁寧に塗った。

 大壁画のデザインは、雄勝の子どもたちが元気に活動する様子を表現したという。最終的には約70枚のスレートを石盤葺(せきばんぶき)の国選定保存技術保持者の佐々木信平さんが組み上げる。完成すると縦220センチ、横180センチの大きさになる。

 雄勝小6年末永梨乃さん(12)は「みんなで協力して作業をしているので、すごい絵ができると思う。完成が楽しみ」と話し、雄勝中3年川田忍(じん)さん(14)は「番号を間違わないように気を付けながら色を塗った。自分が塗ったスレートが総合支所に飾られるのはうれしい」と語った。

 雄勝石絵教室実行委員会は、雄勝石のPRや地域の振興に尽力し、昨年4月に亡くなった斎藤玄昌実さん=仙台市=らが設立。これまでもJR東京駅に展示されている巨大壁画「輝く」や、雄勝小中の「明日を照らす」「ともに歩む」、雄勝病院跡地に建立した「天使の椅子」など、雄勝石の壁画制作を先導してきた。

 斎藤さんの遺志を継ぎ、子どもたちの作業を見守った実行委の菅井哲夫さん(80)は「石絵教室は、貴重な資源である雄勝石を知ってもらうと同時に、情操教育の一環でもある。完成した壁画を想像し、私も楽しんでいる」と目を細めた。玄昌実さんの妻敦子さん(75)も「(夫は)雄勝には素晴らしいものがあることを自負し、古里を盛り上げてほしいと思っていた。思いを継いでくれていることに感謝したい」と語った。

関連タグ

最新写真特集

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ