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思い添えて花ギフト コロナ下、インターン学生が考案 石巻・はなき

ボックスは縦横各13センチ、高さ10センチ。メイン2種類以外は花のプロが色合いなどを考慮して選んでくれる

 新型コロナウイルスの感染拡大で、人との積極的な接触機会が抑制される中、石巻市中里5丁目の生花店「フラワーガーデンはなき」は、オンラインで選んだ花と、一緒に郵送されてくる作成キットで自らフラワーボックスを作って大切な人に贈る「Okuribako(おくりばこ)」の販売を始めた。思いを込められる新しいギフト商品だ。

 考案したのは復興庁の復興・創生インターンとして、はなきを担当した石巻市出身の武田真由子さん(20)=青山学院大2年=を含む首都圏、関西の4人の大学生。3カ月にわたりオンラインで議論を重ねて完成させた。

 武田さんは「相手のことを思い、選んで、作る。贈る側の気持ちをしっかり届けられる」と説明する。「出来上がりも、込めた思いも世界に一つだけ。コロナ禍だからこそ暮らしを花で彩りたい」

 オンライショップで購入すると、贈る花の種類や相手の年代・性別、プレゼントの目的などを記入するシートがメールで届く。必要事項を記入して返信すると、生花とボックス、メッセージカードなどが送られてくる。購入者は手順書に沿って作り、カードを添えて相手に贈る。作り方の動画配信もある。

 はなき常務の岡泰史さん(37)は「コロナで増えた『おうち時間』の有効な使い方の一つにしてもらえたら」と話す。価格は4000円で提供エリアは東北、関東圏(離島を除く)。バラやヒベリカムなど6種類計7色から購入者が選ぶメイン2種類に、はなきのスタッフがバランスを考慮して選んだ花々が加わる。

 商品化の背景には東日本大震災もある。高校時代に街中での手作りファッションショーを仲間と企画するなど石巻の街づくりに関わってきた武田さん。「11歳の時に体験した震災が地域活性化に関心を持つきっかけだった」と話す。

 岡さんは「当時は日々の暮らしが第一で、花屋として無力感も味わった。それでも、『どうしても花を贈りたい人がいる』と、来店してくれた人がいた」と振り返り「花は人に寄り添うことができる。花を通じて生命や個性を考える『花育』の普及にもつなげたい」と話した。

 連絡先は0225(96)8787。

はなきオンラインショップ:【Okuribako】「つくって、贈る。」 フラワーボックス製作キット

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