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雄勝地区拠点整備完了へ 総合支所3月22日開所 石巻市

整備中の雄勝総合支所。公民館と図書館、郵便局の複合施設となる
工事が進む体育館と多目的運動広場(手前)、艇庫(右奥)

 東日本大震災で被災し、石巻市が雄勝地区の拠点エリア内に移転新築を進めている雄勝総合支所が3月に完成し、同22日に運用を始める。近くに整備中の体育施設も同月中に完成し、4月1日に利用を開始する。震災から10年の節目に、公共施設や観光商業施設、住宅などが集まる新たな拠点の整備が完了する。

 新しい総合支所は、昨年オープンした雄勝硯(すずり)伝統産業会館と観光物産交流館よりさらに10メートルほど高い、防災集団移転団地ゾーンに整備している。雄勝公民館、市図書館雄勝分館、雄勝郵便局との複合施設で、鉄骨2階、延べ床面積は約2320平方メートル。

 ホールや調理室、和室などを備え、住民の交流の場としても活用される。利用者が雄勝湾の眺めを楽しめるよう、2階は窓ガラスを大きく設けた。

 体育施設のうち、体育館と艇庫は被災したB&G海洋センターの、体育館に併設する多目的運動広場は雄勝グラウンドの代替施設。観光施設と同じ海抜9メートル地点に整備を進めている。

 体育館は鉄骨一部2階で、延べ床面積は約825平方メートル。アリーナはバレーボールコート1面分で、多目的運動広場と合わせて、住民の健康増進の場とする。

 シーカヤックとスタンドアップパドルボード(SUP)などを格納する艇庫は鉄骨平屋で延べ床面積は約280平方メートル。更衣室やシャワー室を備え、雄勝湾で海洋スポーツを楽しめる環境を整える。

 総合支所を含む3施設の外装は、拠点エリア内の商業施設などと同様に地区の特産品である雄勝石をイメージした。

 これらの完成により、2012年に着手した拠点エリア整備が完了する。雄勝総合支所地域振興課の担当者は「地域の活性化施設が全て完成する。住民、観光客など広域的な交流の場にしていきたい」と話した。

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