タブレット授業公開、スキル向上へ教職員研修 東松島市教委
東松島市教委は、情報通信技術(ICT)教育の充実を図る国のGIGAスクール構想に基づき、市内全11小中学校の児童生徒1人1台のタブレット端末の配備を進めている。教職員の活用スキルを高めようと1月22日、宮野森小(児童128人)で研修会を開き、指導主事がタブレット端末を使った6年生の社会科の授業を公開した。市内全校の教職員や市関係者ら約40人が参観し、各校の指導に生かす狙いだ。
「世界の中の日本」の単元で、県東部教育事務所次長で指導主事の皆川寛氏が授業した。温暖化や貧困など諸外国との連携の必要性を押さえ、日本とつながりの深い4カ国の概要について児童16人が学んだ。
衛星写真閲覧サービス「グーグルアース」を使って各国の位置を調べ、風景を見てイメージを膨らませた。国の特徴を班ごとにまとめる作業では、教科書を手がかりに3、4人が分担して面積や人口などを調べ、グーグルの無料学習支援ツールの共同編集機能を使って一つのスライドに同時に書き込んだ。
最後に、学習支援ツールのコメント機能を使って、各自が授業の感想を入力し、電子黒板に表示して全員で共有した。
鈴木つぐみさん(12)は「風景を見て外国に行った気分になれるし、教え合うのも楽しい。一人ずつ発表しなくても全員の考えが分かるのが不思議」と話した。
授業後の研修で皆川氏は、1人1台の端末利用の利点について「リアルタイムで他の人の意見が見られる。感染症対策で離れていても、仲間と共同で学べることに意義がある」と指摘。その上で「対面授業とICT活用をバランス良く融合し、指導力を高めてほしい」と呼び掛けた。
出張の日程管理やアンケートの集計、会議など校務の効率化に活用する先進事例も紹介した。
市教委は児童生徒用3217台のタブレット端末を導入。鳴瀬桜華小を除く10校は2月末までに配備を完了する見通し。移転新築中の鳴瀬桜華小は、移転後の4月から使用する。