東松島市図書館、「3.11」関連コーナーを常設 記憶や危機管理などに分類
東日本大震災(3.11)から間もなく10年。東松島市図書館は「3.11」に関する図書・資料などを集めたコーナーを開設している。震災関連図書を通じて、市民に震災に対する記憶の風化防止や防災への意識高揚を呼び掛ける。関連企画として「震災と食」をテーマにした作品も募集している。
常設コーナーは「3.11震災の記憶」「郷土資料」「危機管理」「防災・減災」といったテーマごとに分類。書架には「語りつぎお話絵本3月11日」「みんなを守るいのちの授業」といった児童書から、石巻市北上町の人々に焦点を当てた「震災と地域再生」「東日本大震災教職員が語る 子ども・いのち・未来」といった一般の書籍・雑誌まで合わせて約1700冊がそろえられている。
震災関連のDVDやメッセージ映像などを含めると約4000点に上る。
菅原優子館長は「震災から10年。市民の関心も高まっているのか最近、借りていく人が増えている。(震災関連図書に関する)問い合わせも多くなってきた」と話す。
同館が併せて力を入れているのが「ICT地域の絆プロジェクト」。これはICT(情報通信技術)を活用したプロジェクトで、市民の被災体験を映像として記録・保存し、震災を後世に語り継ぐことを目的に2012年に始まった。
今回はプロジェクトの一環で「あの時の忘れられないごちそうさま」をテーマに企画・展示を行う。震災当時の忘れられない味やメニュー、食にまつわる出来事(写真、イラストも可)を市民から募集している。募集は28日まで。所定の用紙に記入し、同館に持参する。ファクスも可で、送信先は0225(82)1121。展示は3月3~26日を予定している。
菅原館長は「本の貸し出しだけではなく、地域や市民に文化・歴史、情報を発信していくのも図書館の役割。震災の記録・記憶を残し、図書館から発信していきたい」と強調する。
連絡先は0225(82)1120。