閉じる

「3.11」自宅で祈りを コロナ対策 石巻・大宝院、供養の線香配布

希望者に無料で配布する震災供養の線香

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東日本大震災から10年となる3月11日は、自宅で震災犠牲者への祈りをささげてもらおうと、石巻市築山1丁目の真言宗秋葉山大宝院は、犠牲者供養の線香を希望者を募り、1世帯につき1本を無料で配布する。当日行う慰霊法要への一般参列者の参拝は自粛してもらう。

 宗教施設はクラスターが発生しやすいとされる。石巻市でも感染者が増え続けており、コロナ対策として一般参列者の参拝を見合わせてもらい、今回のみ震災犠牲者供養の線香を無料で配布することにした。

 線香は「東日本大震災犠牲者供養」と印字され、長さ16センチ、幅7ミリ。本来は震災犠牲者の塔婆供養や写経を奉納した人に贈る記念品だという。

 震災10年の今年は、犠牲者の供養や追悼を目的とする希望者(先着100人)に配布する。住所、氏名、電話番号を記入し、ファクスや手紙で申し込む。締め切りは2月中で、申込者に無料で郵送する。ただし、なくなり次第終了。連絡先は0225(23)2508、ファクス0225(24)8714。

 天野秀栄住職(40)は「3月11日の午後2時46分、慰霊法要と同時刻に多くの人たちに線香をともしてもらい、追悼の祈りを共にしたい。苦悩や心の傷も癒やされれば…」と願う。

 一方、大宝院ではコロナの影響で写経を奉納する人が増えている。昨年は全国から300件の奉納があり、コロナ前の3倍強だという。写経道具の貸し出しもしている。

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ