ワクチン接種、100万都市仙台どう対応? 全国で手探り続く

川崎市のワクチン接種訓練。仙台市も効率的な接種方法を模索する=1月27日

 仙台市が新型コロナウイルスワクチンの接種態勢の検討を本格化させている。10日には個別接種と集団接種を併用する「練馬区モデル」の導入検討で市医師会と合意した。109万市民を抱える東北最大の都市。速やかに、安全に、確実に接種できる態勢づくりに頭を悩ませる。全国には手探りながら独自策を打ち出す自治体もある。先進事例にヒントを探った。
(報道部・伊藤卓哉、小木曽崇)

練馬区モデル 医師会の協力体制が鍵

 東京都練馬区は1月29日、かかりつけ医による個別接種をメインに、部分的に体育施設などで集団接種を行う方式を発表した。厚生労働省は「練馬区モデル」と推奨。福岡市や京都市が採用を決め、東北では福島市が実施を予定する。

 「早くて、近くて、安心」がコンセプト。通い慣れた診療所が会場のため、接種者は遠出する必要がなく、健康状態をよく知る医師に担当してもらえる。

 練馬区モデルを採用するには地元医師会の協力が必須。最初に使われる米ファイザー製ワクチンは、1瓶当たりの接種回数が5回のため、医療機関は1日の接種人数を5の倍数にする予約管理、急なキャンセルに伴う待機者への連絡体制を整えておく必要がある。

 仙台市医師会の安藤健二郎会長は「集団接種だけでは間に合わない。これしかない」と導入に前向き。65歳以上の高齢者約26万人の2回接種を2カ月以内に終えるには、1日最大8000人の接種が必要とみる。

 インフルエンザの予防接種を行う会員の医療機関が400カ所程度あることを念頭に、1医療機関の接種数を1日20~30人と試算。平日はかかりつけ医による個別接種、土日は市有施設での集団接種を想定し、会員の意向を確かめている。

LINE予約 システム導入「未定」

 LINE(ライン)は1月28日、無料通信アプリを使った接種予約システムを提供すると発表。同社によると、酒田市、福岡市、和歌山県紀の川市など全国約100自治体が導入決定か、検討中という。

 自治体のLINE公式アカウントに接種券の番号を入力すると、接種会場や日時の予約・確認ができる。人工知能(AI)を活用した自動対話システムが、よくある質問に答える機能もある。

 神奈川県寒川町はLINE予約とコールセンターを併用する。担当者は「住民はコールセンターの対応時間に関係なく、24時間いつでも予約ができ、町はオペレーター数を減らせる。双方にメリットがある」と導入理由を説明する。

 酒田市の担当者も「若者はLINEの方が気軽に予約できるだろう。最近は高齢者も使いこなせる人が増えている」と期待する。

 仙台市は1月15日に公式アカウントを開設し、新規感染者の発生状況などを連日配信する。10日時点で約1万5900人が登録。接種予約の手段にもなり得るが、市新型コロナウイルスワクチン接種推進室の担当者は「事例の一つとして認識している」と述べるにとどまる。

スタジアム使用 夏場は熱中症リスク

 日本に先駆けて接種が進む諸外国を見渡すと、米国では大リーグ本拠地のヤンキースタジアム(ニューヨーク)、ドジャースタジアム(ロサンゼルス)などを会場に使う。広い場所で大規模に実施することで、集団接種のペースを速める狙いがあるとみられる。

 仙台市内にも市有施設のユアテックスタジアム仙台(泉区)など大規模な野外会場はある。だが、推進室の担当者は「夏になると野外接種には熱中症の危険が伴う」と課題を指摘する。

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