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新型コロナ感染対策 桃生郡医師会・宍戸友明副会長に聞く

「油断せず、感染対策をしてほしい」と訴える宍戸氏

 新型コロナウイルスの新規感染者が1月以降、石巻市で急増している。クラスター(感染者集団)が発生し、感染者は累計で165人に上る。桃生郡医師会副会長(感染症対策理事)の宍戸友明氏(61)に現状や懸念される点について聞いた。宍戸氏は「市中感染が増えている。気を緩めず、感染対策を徹底してほしい」と警告する。(聞き手・浜尾幸朗)

      ◇

-PCR検査の状況は。

 「桃生郡医師会の某クリニックでは昨年11月から急激に増加し、抗原検査と合わせて1月には200人を超えた。別の医院では、土曜の午後や日曜もPCR検査を行い、検査数は昨年末から増加している」

-PCR検査をドライブスルー方式で実施する石巻市地域外来・検査センターの利用状況は。

 「昨年12月24日に運用を始め、年末年始も稼働した。1月中は多い時で1日10人以上の検査数だった。クラスターが発生するか否かで検査数は変動する」

-県が指定した石巻圏域の診療・検査医療機関は何カ所か。

 「桃生郡医師会22カ所、石巻市医師会20カ所の計42カ所。検査できる医療機関は公表していないが、各医師会で共有している」

-市中感染は増えているか。

 「宮城県の発表を見ると、6日時点で県内で感染経路不明な人の割合は29・7%。市中感染が増え、無症状の人から感染が広がっていることが分かる」

 「石巻圏域ではクラスターが発生したが、いち早く濃厚接触者や接触者にPCR検査を行い、現在は感染経路不明者は認められない。しかし、油断はできない。仕事や、やむを得ない事情で首都圏との移動は続いており、まして仙台市とは日常的に人の行き来がある」

-若年層のクラスターが発生している。

 「発病する2日前から、1メートル以内で15分以上接触した場合に濃厚接触者となる。濃厚接触者は主に飛沫(ひまつ)感染によるものだ。濃厚接触者により集団発生した場合クラスターとなる。マスクをしていれば予防できる。更衣室では換気をする。特に部室ではクラスターが発生しやすい。寒い季節だが換気が必要だ」

-新型コロナの感染から回復した人の後遺症は。

 「後遺症は若年者に多いとされる。新型コロナから回復した後、平均2カ月後も87・4%の患者が何らかの症状を訴えており、特に倦怠(けんたい)感や呼吸苦の症状が続いている人が多い」

 「後遺症を防ぐためには新型コロナにかからないことが一番。『マスク』『3密を避け換気』『手洗い』といった感染対策を改めて徹底してほしい」

-10都府県で延長された緊急事態宣言が解除された後の影響は。

 「心配なのは緊急事態宣言解除後。人の移動があり、感染リスクが高まる。一人一人が注意し、気を緩めず感染対策に取り組んでほしい」

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