河北春秋(2/18):2000年代、NHKのドキュメンタリー番…

 2000年代、NHKのドキュメンタリー番組『プロジェクトX』が人気を博した。新製品の開発や社会的事件、国家的事業に挑んだ人々に焦点を当て、成功までの苦難に満ちたドラマを紹介した。中島みゆきさんの主題歌や田口トモロヲさんのナレーションも話題を呼んだ▼「プロジェクトXみたいになる」。新型コロナウイルス感染対策の切り札とされるワクチン接種をそう表現したのが、陣頭指揮を執る河野太郎行政改革担当相。医療従事者への先行接種がきのう国内で始まった▼4万人のうち約半数に健康状態を記録してもらい、副反応などの安全性を調べる。来月中旬以降に医療従事者、4月以降に65歳以上の高齢者が続く。その他の人は未定だ▼ようやく第一歩を踏みだしたものの、海外からワクチンが滞りなく供給されるのか、1瓶当たり6回分取るのに必要な特殊な注射器を確保できるのかなど課題は山積する。実務を担う自治体は情報不足に困惑しながらも準備を急ぐ。当面は走りながら考えることになる▼私たちが知りたいのは、本当に安全なのか、接種がいつ頃になりそうなのかということ。国がそうした情報をきちんと提供するかどうかを注視しながら、接種に必要なクーポン券が届くのを首を長くして待つことになりそうだ。(2021・2・18)

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