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石巻圏・新百景>サンマ天日干し (女川町針浜)

すだれのように干されたサンマ。水分と臭みが飛び、うま味が増していく
丁寧に串刺しにされたサンマ。日差しを受けて銀色に輝く

<風と陽光に うま味増す>

 すだれのように連なるサンマが、冬の日差しを浴びて銀色に輝く。全国有数のサンマ水揚げ量を誇る女川町の冬の風物詩「サンマの天日寒風干し」が、町内の水産加工会社「ヤマホンベイフーズ」で行われている。

 特製塩だれに漬けたサンマを1万~1万2000匹ほど串に刺し、木製のやぐらにつるしていく。

 乾燥した北西からの風と陽光に7~8時間さらすことで水分と臭みが飛び、うま味が増すという。

 東日本大震災前、作業を担う工場は女川港近くにあったが津波で被災した。2012年4月、万石浦に面した新工場が完成し、天日干しは12月に復活した。

 作業は3月末まで。地元をはじめ全国の百貨店やスーパーなどに計50万匹以上を出荷する。「不漁が続いてはいるが、今年も良質のサンマを確保できた」と山本丈晴社長。昔ながらの製法を守り、変わらぬ女川の味を届ける。

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