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若者の人口流出抑制へ 地元就職を後押し 県東部振興事務所

 県東部地方振興事務所は新年度、「地元就職」を後押しするため、石巻市内の高校に通う生徒や石巻専修大の学生に対する支援事業に取り組む。高校生の保護者向けの意向調査や石巻専修大生への伴走型支援、管内企業の若手社員による職場紹介(企業説明会)を実施する。高校や大学卒業後の人口流出が課題となっている現状を踏まえた。

 振興事務所は若い世代の就職に伴う人口流出に危機感を強め、人口減少対策の一環として事業に着手する方針。新型コロナウイルスの感染状況を見ながら細部は今後詰める。

 石巻市が2021年度も実施する市内7高校と石巻専修大の各3年生を対象にした意向調査の結果を活用し、地元就職の意向を把握する。7高校の保護者を対象にした調査を行い、子どもを地元に就職させたいのかどうか親の意識を探る。

 石巻専修大生への伴走型支援は、石巻地方への就職を希望する3年生に寄り添い、個別に支援する。管内企業で石巻専修大生への採用意向があるのかどうか調査を実施。情報を提供し、企業と学生をつなげる取り組みに注力する。

 関係者によると、コロナ禍でも業種によっては堅調な地元企業もある。振興事務所は「企業の採用意欲が減退しているわけではないはずだ。優秀な学生の地元定着・定住につなげたい」とコロナ収束後も見据える。

 高校生や学生向けに企画する地元企業の若手社員による職場紹介は、オンライン形式か対面式で行う。企業理解を促すためオンライン交流会も予定している。

 振興事務所は「次代を担う若者が石巻地方の経済成長や産業、技術革新に貢献してほしい」と語り、地元就職の促進が人材育成の観点からも重要であるとの認識を示した。

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