ニホンジカ 牡鹿半島で集団捕獲へ 対策協、囲いわな設置
牡鹿半島ニホンジカ対策協議会は12日、ニホンジカを集団捕獲する大型囲いわなを石巻市鮎川浜黒崎の黒崎牧場に設置した。市内で深刻化するニホンジカによる被害を、より効率的な捕獲方法で防止する市内初の実証実験が始まった。
設置作業には協議会の会員ら約20人が参加。外周約400メートルにわたって、高さ約2メートルのくいを等間隔で地面に刺し、網を掛けた。わなは内部にニホンジカが集まる時間帯になると、タイマーにより自動で入り口の扉が閉まる仕組み。
協議会は今後約1カ月かけて周辺に生息するニホンジカに餌付けし、わなに入る習慣をつける。3台の監視カメラで、シカがわなに入る時間帯も把握する。
市産業部ニホンジカ対策室の鈴木賢治室長補佐は「多くのニホンジカを効率的に捕獲し、農作物や稲作、山の木々を守る一助になれば幸いだ」と話した。
捕獲されたニホンジカの一部は食用として活用される。シカによる2019年の県内農作物被害は約2330万円に上り、石巻市は約1840万円と全体の約8割を占める。市は同年に約1660頭を捕獲した。
協議会は石巻市、石巻地区森林組合、県東部地方振興事務所などで構成する。