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震災前以上の活気を 新観光拠点「奥松島クラブハウス」、あす開所

オープンに先駆けて施設を披露し、いけすを備えた店内で関係者らがのりそばなどを試食した

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた東松島市野蒜に観光商業施設「奥松島クラブハウス」が3月1日、オープンする。海鮮焼きやのりそばなどを提供する飲食店と、盆栽庭園、観光案内所を設けた。野蒜・宮戸地区の豊かな自然を発信して日本三景・松島を訪れる観光客を呼び込み、地域の活性化を目指す。

 東京の駐車場運営会社アークリンクが整備、運営する。市が無償で貸与する被災跡地約8400平方メートルに、観光案内所や飲食店が入る木造平屋の3棟と、盆栽庭園を設け、敷地にはモミジやサクラなど約500本を植えた。

 飲食店は炭火焼き店(45席)、のりそば店(40席)、焼き芋の持ち帰り店の3店。市内産のカキやホタテの炭火焼き、市内特産のノリを練り込んだのりそばを提供する。99人を収容する団体ルームも設け、大型バスの観光客を受け入れる。

 盆栽庭園は約80鉢を展示。地元の盆栽愛好家らに手入れを協力してもらいながら交流の場をつくり、盆栽を産業に育てたい方針。観光案内所では野蒜・宮戸地区を周遊できる電動キックスケーターなどを貸し出す。将来的には漁船で島々を巡るツアーなどの企画を行う。

 開所を記念して27日、地域の関係者を招いた式典があった。参加者が料理を試食し、施設を見学した。

 門脇善行支配人(39)は「松島を訪れる観光客に足を伸ばしてもらい、豊かな自然の中でくつろいでほしい。地域の方と連携して震災前以上の活気を取り戻したい」と意気込む。矢作和幸社長(60)は「地元の人が気軽に散策や食事を楽しめる場にしたい」と語る。

 東松島市震災復興伝承館(旧野蒜駅)の西側。営業は午前11時~午後9時。午後9時までライトアップし、自由に散策できる。連絡先は0225(98)8123。

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