方言、多様な分野で活用を 東北大教授ら「実践講座」出版

出版した本を手にする小林教授

 全国各地で話される方言の実社会への活用法をまとめた「実践方言学講座」を、東北大の教授らが出版した。地域経済や芸術、放送、医療といった多様な分野で方言を用いる新たな学問を提唱している。

 「社会の活性化と方言」「方言の教育と継承」「人間を支える方言」の全3巻。各300ページ前後で、東北大や宮城教育大、岩手大の研究者のほか、小学校や市役所、博物館、テレビ局の職員が章ごとに執筆している。

 「地域経済のための方言活用」の章では、方言の商業的な利用例として、三沢市のホテル「星野リゾート 青森屋」を紹介。部屋名やイベント名、従業員のあいさつに「じゃわめぐ(心騒ぐ)」など津軽弁を取り入れ、ご当地らしさを求める観光客のニーズを満たしているという。

 「災害と方言をめぐる課題と指針」の章は、被災者と外部支援者のコミュニケーションギャップや、方言が通じない医療現場での混乱を指摘。発音や単語、文法を解説したパンフレットの作成や支援者への方言教育、方言通訳担当者の養成を提案する。

 編集委員代表で東北大方言研究センターの小林隆教授(方言学)は「東日本大震災では『頑張ろう』ではなく、『頑張っぺ』という方言が被災者の心をつなぎ、復興に向けて歩む力の源になった。方言離れが進む若者たちにも読んでもらいたい」と話す。

 各4730円。連絡先はくろしお出版03(6261)2867。

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