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石巻圏・新百景>奥松島クラブハウス(東松島市野蒜)

JR仙石線跡地を利用した歩行者・自転車道の桜並木。400本のモミジもだいだい色に照らされている
盆栽庭園と地元の食材を使った飲食店(奥)で観光客を呼び込む

<再生へ続く若い並木道>

 暗闇に輝く若木が浮かび上がる。100本の桜並木と、400本のモミジの回廊。若い枝を空へ伸ばす。

 東日本大震災の大津波が襲った日から10年。かつて人々の営みがあった東松島市野蒜地区に観光施設「奥松島クラブハウス」がオープンした。

 世界的に人気の盆栽庭園を整備し、特産のノリを使ったそばや海鮮焼きなどを提供する飲食店で観光客を迎える。野蒜や宮戸の豊かな自然を体感できるツアーも企画する予定だ。

 桜並木を貫く道は、かつてのJR仙石線だ。鉄路は高台へと移り、跡地は歩行者・自転車道に生まれ変わった。震災後に整備されたスポーツや防災体験、震災伝承といった各施設を結び、人の流れをつくる。

 若い並木は薄紅色に染まる日を心待ちにしながら、にぎわい再生の希望を膨らませている。

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