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「旧北上川」を「北上川」に 地域呼称の使用開始 石巻市

開北橋近くに立つ「旧北上川」の看板

 石巻市は18日、市内を流れる一級河川の「旧北上川」を「北上川」、「北上川」を「新北上川」と表記する「地域呼称」を使い始めると発表した。旧北上川河口部は東日本大震災後の堤防整備で親水空間が整えられた。「旧」を外した呼称で市民の愛着を強め、将来的な正式名称の変更も視野に入れる。

 地域呼称は、市がこれから作成する観光パンフレットやイベント情報などの表記で使う方針。公式文書は正式名称を使う。

 岩手県岩手町が源流の北上川は、登米市津山町で北上川と旧北上川に分かれ、旧北上川は石巻市中心部で石巻湾に、北上川は同市北上地区で追波湾に注ぐ。明治期の大洪水を契機に新北上川の河道開削などがされ、1934年に現在の形になった。

 市によると、現在の名称は65年制定の新河川法で決まった。それ以前は地域呼称と同じだったといい、現在でもなじみのある市民が多いという。

 亀山紘市長は「本流は石巻湾に注ぐ北上川で、『旧』の字に違和感を持つ人が多い。堤防が整備されてイメージも変わったので、本流としての名称を取り戻したい」と語った。

 地域名称の使用に関しては市議会が2019年6月、市に提言書を出したほか、今年2月には市民団体などからも要望があった。

 正式名称の変更に向けては、県を通じて国土交通相に要望し、手続きを進める必要がある。市の担当者は「正式名称の変更を求めるには機運の高まりが必要。その場合は改めて市民の声を聞きたい」と語った。

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