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電気自動車を住民の足に 時速20キロ、地区内移動 石巻・のぞみ野

地区住民らがグリーンスローモビリティに試乗し乗り心地を確かめた

 石巻市は19日、東日本大震災の被災者が多く暮らすのぞみ野地区で、新たな移動手段として期待を寄せる「グリーンスローモビリティ」の運用を始めた。地域カーシェアリングの仕組みを活用し、孤立しがちな高齢者の外出機会創出やコミュニティーの活性化に役立てる。取り組みは、内閣府に選定された「自治体SDGsモデル事業」の一環。住民によるカーシェアリング組織が整っている新蛇田地区からスタートし、半島部などにも広げていく。

 グリーンスローモビリティは、時速20キロ未満で公道を走行する電気自動車。環境に優しく、地域の諸課題を解決する新たな移動手段として国が推進している。

 今回導入した車両は5人乗りで、運転には普通自動車免許が必要。地区内のみ走行することができ、ちょっとした買い物や用足しでの利用を想定する。地区内に太陽光発電の給電ステーションを設け、フル充電で約10キロ走行できる。

 運営は住民組織が担う方針で、同市の一般社団法人「日本カーシェアリング協会」がサポートする。乗り合いでの利用も想定し、運転が難しい場合はボランティアドライバーが代行する。利用は地区住民に限り、事前登録と予約が必要になる。料金は無料。

 同地区であったセレモニーには、亀山紘市長や地区住民らが出席。亀山市長は「共助型のモビリティーとして活用できるよう取り組みを進めたい」とあいさつした。

 試乗したのぞみ野2丁目町内会の増田敬会長は「乗って楽しい車。皆さんに楽しんで使ってもらい、他の地域に輪が広がればいい」と話した。

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