東松島の課題、大東文化大生が解決策提案 震災伝承や移転元地活用
東日本大震災から10年を迎えた東松島市の課題について、大東文化大(東京)の学生8人が解決策をまとめた。市と大学の連携事業の一環。演劇や林間学校を通した震災伝承の取り組みや、移転元地の観光への活用策を市に提案した。
市役所で17日に研修報告会があり、1~3年の男女学生8人が参加。2グループに分かれ、事前調査を基に13日から5日間、市内で地元の関係者らに聞き取りし、まとめた結論を発表した。
震災伝承を提案したグループは「住民の震災経験を聞いて劇を作り、演じることで理解を深める。学芸会などで披露すれば地域にも還元できる」と強調。震災関連施設を活用した林間学校については、災害時を想定した自炊やマリンスポーツ体験などをする行程を提案し「県内外の学校に広めて伝承の担い手を育成する」と述べた。
移転元地の利活用策を提案したグループは宮戸地区月浜を会場にしたドライブインシアターの実施や、航空自衛隊松島基地の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」の飛行訓練を見学できる有料室内見学所の新設を提案。「VRによる疑似操縦体験などでファンを呼び、自然や食など東松島市全体のファンを創出する」と語った。
文学部3年和泉朱音さん(21)は「地元の人に話を聞く中で人の温かみがあるまちだと感じた。東松島の魅力を多くの学生に伝えたい」と笑顔で話した。
志小田美弘教育長は講評で「実現性だけにとらわれない自由な発想にヒントがあった。市の考えに合致した提案を頂いた」と感謝した。
大東文化大と東松島市は2017年に地域連携基本協定を結び、交流事業を続けている。学生による課題解決の提言は5回目。