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女川原発、県など立ち入り調査 地震で使用済み核燃料プールに異物落下

立ち入り調査の講評を伝える県の担当者ら

 2月13日と今月20日に発生した地震の影響で東北電力女川原発3号機(女川町、石巻市)の使用済み核燃料プールに異物が落下したことを受け、県と女川町、石巻市は25日、東北電との原子力安全協定に基づき立ち入り調査を実施した。

 県原子力安全対策課の伊藤健治課長ら約15人がボルト落下の状況を聞き取りして書類を確認し、現場を見て回った。

 東北電によると、原子炉建屋の天井付近に設置している点検用足場から、2月の地震で8カ所、20日の地震で5カ所のボルトやナットなどが脱落した。現在までにプール内で六つの異物が見つかった。燃料集合体への影響はないという。

 3月の地震後、プールは異物の落下を防ぐ養生シートで覆った。足場は今夏までに撤去する計画。落下物は水中カメラを使うなどして捜索、回収するという。

 伊藤課長は調査後、「核燃料があるプールに異物が落ちたことは非常に心配される事態。落ちた金属片の回収は段階ごとに報告をしてもらい、確認していく」と述べた。若林利明所長は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、対策を取る」と語った。

 調査には原発30キロ圏内の東松島市、美里町も同行した。非常用の大容量電源装置1台で故障を示す警報が発生したことや、変圧器の安全弁、建屋の減圧用パネルがそれぞれ作動したことなども調べた。

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