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新型コロナ 感染者最多を更新 飲食業、厳しさ増す 石巻地方

 県は3日、石巻市の10歳未満~60代の男女12人と東松島市の50代会社員男性1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。計13人で、石巻地方の1日当たりの感染者発表数では最多。いずれも重症ではない。

 2~3日に陽性が判明した。7人に陽性者との接触歴があり、6人は調査中。石巻市の感染者は累計で242人、東松島市の感染者は64人となった。

 一方、石巻市教委は2日、石巻中教職員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。学校施設の消毒は済ませたという。

 女川町も同日、町職員1人の感染を発表した。町職員の感染判明は2人目。関係する公共施設の消毒は済ませた。

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 県内の新型コロナウイルス感染急拡大を受け、村井嘉浩知事は2日の県市町村長会議で、仙台市内の酒類提供店に実施中の時短営業要請を、5日から全県に拡大する方針を明らかにした。政府の「まん延防止等重点措置」の適用決定に合わせた県の独自策で、石巻地方の飲食業関係者らに動揺が広がった。

 期間は5月5日まで。市町村長側は知事の提案を了承し、県は3日の対策本部会議で正式決定した。

 仙台市以外への時短要請の対象は、接待を伴う飲食店やカラオケ店を含む酒類提供店。午後9時までの時短営業を求める。全面的に応じた施設には、1日4万円の協力金を支給する。

 時短要請に伴う地域経済への影響を考慮し、市町村が経済対策などに使える補助金も用意。約4億5000万円の予算枠を確保し、市町村に振り分ける。

 石巻市立町でバーを営む男性(47)は「店を開けても客が来ない」と現状を嘆く。この1年で売り上げは60%減ったという。時短要請の全県拡大には「飲食業は確かに苦しいが、ほかの職業も同じ。(協力金の交付は)正直、複雑な気持ち」と話す。「支援、救済策を他の業種にも拡大してほしい」と訴える。

 3月第3週から同市中央で経営する飲食店を休業しているという男性(53)は「週末も金曜日に1人、土曜日に2人という状況。閉めざるを得なかった」と話す。「時短協力金は少しでも生活のつなぎになる。それだけ追い込まれている」と声を落とした。

 石巻市中里1丁目で居酒屋を営む女性は「時短指示があれば従う。アルバイトのシフトを考えなければいけないので苦労することに変わりはない」と話した。

 住民も感染の広がりに不安を募らせる。女川町の主婦(81)は「県内で感染が拡大しているのは怖い。女川町はまだ感染者が少ないけれど、それだけにあまり出かけないようにしている」と話した。

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