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東松島・鳴瀬桜華小、新校舎の完成祝う 高台に整備

校歌を歌って完成を祝う児童たち。講堂は校舎と一体型で、左奥の窓の向こうに2、3階の多目的ホールが見える

 東松島市鳴瀬桜華小(児童268人)の新校舎が完成し、8日、講堂で落成式があった。小野地区を見晴らせる高台に移転し、災害時には避難所となる。東日本大震災で被災し、移転することになった石巻地方の学校の整備事業はこれで完了した。

 新校舎は市鳴瀬総合支所東側の海抜9.5メートルの高台に整備した。校舎と講堂、プール一体型で、鉄筋コンクリート一部鉄骨造3階、延べ床面積は約6900平方メートル。災害時に避難所と学校運営が共存できる動線にした。総事業費は42億2000万円で、国の復興交付金や防衛補助金を活用した。

 鳴瀬桜華小は、震災の津波で甚大な被害を受けた浜市小と、小野小を統合して2013年4月に開校した。利用してきた旧小野小の校舎や校庭が狭く、15年9月の関東・東北豪雨で周辺に避難指示が出た際、住民から高台移転を望む声が上がり、移転新築した。

 落成式には在校生や地域の関係者ら計約300人が出席した。渥美巌市長は「住民が学校運営に関わり、地域活性化の拠点としても期待する」と述べた。

 児童を代表して6年成沢秀仁君(11)が「校舎や講堂が広いので元気に体を動かしたい。みんなで協力し、よりよい伝統をつくろう」と呼び掛けた。

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