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しょくば拝見>測量・施工管理業 バディ(石巻市須江)

「若手の成長が楽しみ」と語る松川社長(右から2人目)と従業員

<有事に備え技術者育成>

 海洋土木工事会社に勤めていた石巻市渡波出身の松川竜也社長(34)が独立し、2015年5月に設立した。前職では東日本大震災の復旧・復興事業でがれき撤去や防波堤の建設工事に携わった。工事前の設計や測量の工程で人手不足や技術者の高齢化を実感。工事の遅れにもつながっていた。「次の災害が起きた時のために、測量の技術者を育てたいと思った」と語る。

 測量の知識と経験はあったが、専門業者としての仕事は求められる精度が違った。「見通しが甘かった」と松川社長は苦笑いする。経験してきた工事業者の測量は建造物を造るためだが、専門業者はその基になる設計図を作るため。1メートルの違いが建造物を大きく変える。「一から勉強し直した」と振り返る。

 設立当初は自分1人だったが、仕事が増えるにつれて従業員も増やした。電気工事経験者を採用して新たな部門も設立するなどし、事業の幅を広げる。

 会社の強みは従業員の多様性だという。4人いる女性のうち2人は現場に出る。新型コロナウイルス感染拡大の影響で見合わせているが、本来なら昨年、ベトナムから外国人技能実習生も受け入れる予定だった。未経験で入社した従業員も半年で別人になるといい、「成長する姿を見られるのが喜び」と言う。

 震災の復興事業の防潮堤建設や19年の台風19号で被災した河川の測量も手掛けた。松川社長は「生まれ育った古里のため、有事の際に活躍できる会社にしていきたい」と力を込めた。

■会社概要
 測量部、工務部、電気工事部の3部門で、松川社長も含めた従業員は10人。未経験者も多く、飲食店や工場勤務、受付係など前職はさまざま。資本金50万円。石巻市須江相野佐野52の1。0225(90)3966。

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