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東松島「みそら工業団地」が完成 地元含め32社進出

3月に完成したみそら工業団地

 東日本大震災で甚大な被害を受けた東松島市大曲浜地区に市が整備を進めていた産業用地が、3月に完成した。「みそら工業団地」と名付けられ、2026年度まで無償で造成地が借りられる優遇制度や交通アクセスの良さなどから地元を含む32社が進出した。各社と地域全体の発展につなげようと立地企業による協議会も設立された。産業振興と雇用創出の場として期待される。

 みそら工業団地は集団移転跡地を活用し、被災市街地復興土地区画整理事業により15年から整備を始めた。総面積は約51.2ヘクタールで、矢本海浜緑地も含まれる。

 いずれも最大で高さ7.2メートルの防潮堤と6.2メートルの防災盛り土に加え、区域全体を約2.5メートルかさ上げし防災機能を高めた。区画整理事業の総事業費は約60億円で、国の復興交付金でまかなった。

 企業用地は約27.3ヘクタール。東北唯一の国際拠点港湾「仙台塩釜港」の石巻港区に隣接し、三陸道石巻港インターチェンジまで約3.5キロと交通アクセスに優れていることから、運送業や建設業を中心に立地が進んだ。用地の約9割が埋まっている。

 3月には全社が参加し協議会を立ち上げた。行政や地域との意見交換のほか、地域行事への参加などを見込む。

 協議会会長を務めるカネフジ運輸の須藤弘三会長は「結束を深め、各社と地域の継続的な発展を目指す。地区から泣く泣く離れた方たちの地域を思う気持ちを受け止め、未来につなぐ工業団地にしていきたい」と力を込めた。

【みそら工業団地】
 土地区画整理事業の換地処分に伴い、市は昨年12月末に大曲浜地区の住所の一部を「みそら」に変更した。大曲浜の海や白砂青松、隣接する航空自衛隊松島基地の曲技飛行チーム「ブルーインパルス」と、地区から見上げる空をイメージし、日本の伝統色「みそら色」から名付けた。地区住民の集団移転先であるあおい地区も青色系の名前で、空を見上げればつながっているという思いも込めた。

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