東松島市長選 無投票で現職 渥美氏、実行力に評価
東松島市長選は、現職の渥美巌氏(73)=自民・公明推薦=が無投票で再選を果たした。県内初の「宮城オルレ」奥松島コースの新設や、石巻地方初の私立高誘致など、斬新な着想と実行力が評価された。午後8時まで対応する民間保育所2カ所の誘致や、放課後児童クラブの預かり時間延長も子育て世帯の支持を得た。
立候補の届け出が締め切られた午後5時、同市赤井の事務所に戻った渥美氏を約100人の支持者が拍手で出迎えた。無投票再選を告げられると歓声が湧き上がり、支持者と拳を合わせて、喜びを分かち合った。
渥美氏は「無投票の負託の重さを感じている。4年間、公約実現に向け全力で頑張る」と誓った。
日中は選挙カーで市内を巡り、あおい地区で行った演説では住民約50人に「移転元地の利活用や、県上位を目指した学力向上などに取り組む」と訴えた。
◇2期目へ 渥美氏に聞く
-無投票で再選された。
「4年間の政策への信任と受け止める。政治の力を必要とする人に、光を当てることが私の原点。アンテナを立て、声なき声に耳を澄ませる」
-最も取り組みたいことは。
「震災からの『心の復興』と、新型コロナウイルス対策だ。移転元地を果樹園にする『令和の果樹の花里づくり』構想を進める。三陸沿岸道上り矢本パーキングエリア隣接地での道の駅構想は2023年の開業を目指す」
-心の復興の具体策は。
「あおい地区会が実践する高齢者の見守り活動のような成功事例を普及させることも一つ。やる気がある地域への協力体制を整える」
-感染症拡大で地域経済が冷え込んでいる。
「地域内で経済を循環させ、地域間競争に打ち勝つ。働く場の確保や、医療福祉の充実、県内上位の学力を目指す教育など、若い人に魅力あるまちづくりを一歩一歩進める」
-点在する移転元地の利活用など課題は多い。
「土地の交換など時間を要する課題だ。1期目は結果を出すためスピード重視で進めた。2期目は時間がかかる課題にもじっくり取り組みたい」
(聞き手・相沢美紀子)