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復元船サン・ファン・バウティスタ号 匠2人の功績、改めて 石巻で企画展

村上棟梁が、復元船の木取りのために製作した模型

 石巻市渡波の県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)で、企画展「匠(たくみ)-復元船サン・ファン・バウティスタ号をつくったふたり」が始まった。

 帆船「日本丸」などの建造に携わり、サン・ファン・バウティスタ号の復元船設計では考証作業をした船舶海洋工学の権威で元横浜国立大教授の宝田直之助氏が昨年11月、94歳で他界したことを受け、同氏と復元船建造の陣頭指揮を執った船大工、村上定一郎氏(故人)の功績を改めて紹介している。

 企画展示室を会場に、日本丸や青函連絡船「津軽丸」など名船を建造した宝田氏の功績を経歴や新聞に掲載された記事などで学ぶことができる。

 村上氏については、生涯で100隻以上の造船を手掛けた船大工としての経歴、復元船建造の大棟梁(だいとうりょう)就任までの道のりなどを紹介。復元船建造に向け、原木から製材する木材の寸法を割り出す「木取り」の参考にするため、村上氏が制作した30分の1の模型がとりわけ目を引く。

 寒河江市の洋画家渡辺八郎尉門さんが石巻市中瀬での建造の様子などを描いた油絵3点が企画展にアクセントを与えている。訪れた人たちは復元船にかけた2人の熱意に思いをはせていた。

 会期は7月26日まで。火曜休館(祝日除く)。開館時間は午前9時半~午後4時半。入場料は一般350円(高校生以下は無料)。

企画展「匠―復元船サン・ファン・バウティスタ号をつくったふたり―」 | サン・ファン館 | 宮城県慶長使節船ミュージアム

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