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しょくば拝見>ラベル印刷業 高彩堂(東松島市川下)

最新の工作機械が並ぶ工場で、スキルアップを誓う高橋社長(中央右)と従業員たち

<「商品の顔」に思い凝縮>

 缶詰に巻く帯状ラベルや、魚介類の瓶詰めのシール、企業のロゴステッカー。手掛けた製品を集めたファイルに並ぶ数百枚のラベルは、書体や色、形、素材など千差万別。「商品の顔」となる一枚に、商品の特長や生産者の思いが凝縮されている。

 専用の製版機を自社で所有し、企画から納品まで一貫で行う。冷凍食品や屋外表示など、用途に適した素材と粘着剤を選び、多様な特殊ラベルを製造。高級感を演出する金箔(きんぱく)・銀箔ラベルも好評だ。顧客の9割が石巻地方の事業所で「きれいに、早く、安く」をモットーにする。

 ラベルは情報伝達に加えて、アートでもある。高橋晃社長(66)は「貼られる商品の魅力が伝わるよう、生産者と思いを一つに工夫を重ねるのが楽しい」と語る。デザインを担う遠藤陽子さん(41)は「商品をまちで見掛けた時の喜びはひとしお」と笑顔を見せる。

 東日本大震災後、国の「ものづくり補助金」を3度活用し、最新の工作機械を導入した。複写防止機能がある金券の製造や、ゴルフボールなど立体への印刷にも乗り出した。アクリル板やアルミ板などに彫刻ができるレーザー加工機を活用し、企業のロゴプレートや、記念品の盾などの製品化も見据える。

 今年10月、創業30周年を迎える。高橋社長は「小さな会社ならではのフットワークの良さを生かして、ラベル印刷を核に新たな技術に挑戦し、夢のある製品を開発していきたい」と意気込む。

■会社概要
 1991年10月、東松島市東名で創業。97年4月に法人化し、その後ひびき工業団地に移転。2013年9月、株式会社に変更。資本金300万円。従業員はパートと役員を含め12人。小ロットにも対応し、パンフレットやポスター、帳票などの印刷も行う。東松島市川下内響131の118。0225(87)3477。

高彩堂

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