記者ログ(4/27):「俺の家の話」

 1~3月期のテレビドラマ「俺の家の話」が面白かった。宮藤官九郎さん(栗原市生まれ)の脚本で能が題材。自分自身、謡や仕舞の稽古を受けた時期があり、細かい部分まで楽しむことができた。古典芸能を扱っていても、そこはクドカン流。笑いあり涙ありの誰でも楽しめるホームドラマに仕上がっていた。

 最も心を打たれたのは最終盤。ある登場人物の前に亡き家族が姿を現し、会話をする場面だ。能は死者が物語の重要な役どころを担う、世界でも珍しい芸能。テーマを生かした素晴らしい演出だった。

 東日本大震災から4年近く後に取材した被災者の若い女性を思い出した。失った家族の存在を身近に感じながら生きていた。時には目の前にいるかのように、語り掛けることもあったという。

 震災から10年。被災県出身の脚本家が能を主題に選んだのは偶然だったのだろうか。(整理部・柏葉竜)

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る