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春の叙勲 石巻地方7人受章 社会に貢献

 2021年春の叙勲の受章者が29日付で発表された。県内の受章者は108人で、石巻地方からは7人が地方自治や消防、海事などの功労で受章した。それぞれの喜びの声を聞いた。


◇旭日双光章(地方自治功労)

 元石巻市議・庄司慈明さん(70)=石巻市蛇田

 旧市を含め2000年から6期18年間、石巻市議を務めた。「共に歩んだ方々と受章するという思いで、誇りと喜びがある」

 市民生活の向上に資する市政の実現に尽力した。「東日本大震災が印象深い。被災者の命を救うため、他会派にも呼び掛けて避難所対策室を実現させた」。今後の抱負としては「人としてどこに暮らすにせよ、正義感を持って生きていきたい」


◇旭日双光章(地方自治功労)

 元女川町議・木村征郎さん(76)=女川町旭が丘

 1987年から女川町議を連続8期、2007年から4年半は議長を務めた。以前は商店も営みながら、欠かさず一般質問に立ち政策を提言した。

 旧町立病院や旧女川温泉ゆぽっぽの整備、デマンドタクシー導入などに尽力。町民目線と若者の意見を重視し、町政発展に務めた。

 「家族や友人、親戚の協力のおかげで続けられた。元気なうちは地域のために働きたい」と感謝する。


◇旭日単光章(地方自治功労)

 元公平委員会委員長・白出征三さん(78)=石巻市立町

 1999年から石巻市職員の勤務条件や不利益処分を審査する公平委員会に所属した。2012年からは委員長を務め、地方自治の発展に貢献した。

 14年には白謙蒲鉾店(石巻市立町2丁目)の社長から会長に就く。「職員が働きやすい環境をつくることは会社経営と同じで、勉強になることが多かった。取り組んできたことを評価していただいて光栄です」と喜びを語る。


◇瑞宝双光章(消防、地方自治功労)

 元石巻消防団長・門脇政喜さん(70)=石巻市大街道南5丁目

 消防団に約40年所属。石巻消防団長時代に東日本大震災が起きた。朝晩の対策会議に出席し、行方不明者の捜索などにも当たった。自宅は津波で全壊したが「夢中だった」と振り返る。

 市議も4期10年務め、地元の道路整備などに尽力した。家族の支援に感謝し「人のつながりに恵まれた」と喜ぶ。現在も保護司や団体役員などを続け、「もう少し現役で頑張る」


◇瑞宝単光章(海事関係功労)

 第1栄久丸漁労長・浅野新二さん(72)=東松島市矢本

 中学卒業と同時に今野水産(石巻市湊町)に入社し57年間、サケ・マス漁やサンマ漁に従事した。うち漁労長は38年間。「受章は船の関係者や仲間、家族の支えのおかげ」と感謝する。

 乗組員の命を預かる責務から、安全確認の大切さを訴えてきた。昨年腰を痛めて引退を考えたが、リハビリが奏功して今夏から再び漁を率いる。「体が続く限り船に乗り、後進を育てたい」


◇瑞宝単光章(消防功労)

 元石巻市消防団副団長・阿部金寿さん(70)=石巻市雄勝町大須

 約45年にわたって地域の消防活動に努めてきた。「地域の一員としてやるべきことをしてきた。団員の協力なくして頂くことはできなかった」と話す。

 東日本大震災発生時には旧大須小の避難所本部長を務め、約700人以上の避難者の生活を支えた。現在は地区会長として地域の防災と向き合う。

 「いざというときのために準備は怠らない」と力を込める。


◇瑞宝単光章(消防功労)

 元石巻市消防団副団長・黒田 敏さん(70)=石巻市門脇二番谷地

 「こういう章をいただいていいのかなと思う。たいした功績でもないのに」と謙そんする。

 消防団への入団は29歳の時。昨年3月末の退団までの6年間にわたり副団長の重責を全うした。東日本大震災では救助活動などに尽力した。

 「最近も大地震が起きたばかり。団員はまず自分の命を守りながら市民の安全安心のために頑張ってほしい」

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