河北春秋(5/1):弘前市に生まれ、子どもの頃から映画館に通…

 弘前市に生まれ、子どもの頃から映画館に通い詰めた。映画作曲家に憧れ上京。日大卒業後に映画音楽の仕事が舞い込む。「内心だめでもいい、思い出のためにやってみようって気持ちだった。そしたらこの次もお願いしますよって言ってくれて」▼89歳で亡くなった作曲家、菊池俊輔さんの言葉。25年前にテレビ劇伴を特集した雑誌にある。1970~80年代の特撮・アニメは「菊池節」なくして語れない。心躍るメロディーと絶妙なアレンジ。それでいて哀愁を帯びる▼『仮面ライダー』は子門真人さんが伸びやかに。ささきいさおさんは『新造人間キャシャーン』で疾走感を醸し、水木一郎さんは『超人バロム・1』で雄たけびソングを定着させた。「各曲ごとに思い出は尽きないのですが、異なった歌い方で作品のキャラクターを歌い分けてくれた」。水木さんのアルバムに言葉を寄せた▼『ライダー』シリーズの主題歌の作詞は故石ノ森章太郎さん(登米市出身)が主に手掛けた。同じ東北の雪国育ち。連なる情感があったのだろうか。石ノ森作品に流れた楽曲は雄々しくもあり、もの悲しくもある▼「とにかく忙しかったけど楽しくてしょうがなかった」。雑誌で劇伴作りの人生をこう語った。星の数ほどの名曲。きょうも誰かが口ずさむ。(2021・5・1)

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