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海の生き物図鑑を作製 町に600部寄贈 女川・ダイビング店

「三陸の海 生きもの図鑑」を贈った高橋さん(右)と須田町長
三陸沿岸の海にすむ生物を紹介する冊子

 女川町のダイビングショップ「宮城ダイビングサービス ハイブリッジ」は、女川湾などの海中生物を紹介する冊子「三陸の海 生きもの図鑑Vol.2」を作製した。約100種類の生き物を写真付きで紹介している。町内の小中学校と保育所に届けるため、町に600部を寄付した。

 冊子はA5判で32ページ。女川町と石巻市を中心に、2015年以降に撮影した生物を掲載した。ハイブリッジ代表で潜水士の高橋正祥さん(41)が主に撮影し、生き物の大きさや模様、生息場所といった情報を盛り込んだ。

 親潮や黒潮が流れ込む三陸沿岸は多様な生き物が生息するという。東日本大震災後に生息状況が変化している生物もおり、海の今を知ってもらおうと作製した。

 ダイバーに人気のダンゴウオや女川の地名が付いた「オナガワスギノハウミウシ」、群生する天然ホヤの他、タコやイカ、エビの仲間など、個性豊かな生き物がページを飾る。

 4月13日に高橋代表が町役場を訪れ、須田善明町長に冊子を手渡した。

 通常のダイビングの他、海中のがれき撤去や生物調査などにも取り組む高橋代表は「生き物の撮影を続ける中で、震災後見られなくなっていた生物が復活し、個体数も増えた。子どもたちや地域の人に、地元の海の生き物を知ってほしい」と話した。

 須田町長は「震災の怖さだけでなく、女川の豊かな海は財産だと伝えていくべきだ。学校や家庭で楽しんでもらい、感心を抱いてもらいたい」と述べた。

 Vol.1は15年に発行。今回は寄付や町商工会の補助金を活用して1万部を作製した。

 詳細は同社ホームページに掲載。問い合わせは0225(90)4416。

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