河北春秋(5/2):米菓のあられは、乾かした餅を小さく切り、…

 米菓のあられは、乾かした餅を小さく切り、焼いたり揚げたりして作る。奈良時代に祝いの儀式で神様に餅を供えた後、割って焼いたのが始まりとされる。うるち米を使う煎餅とは製法が異なる▼もち米の「みやこがねもち」は、原料の最高ブランドとして名高い。宮城県が1958年に新潟県の育成品種こがねもちを導入して独自の名を付けた。宮城の風土と合致し、米のうま味の強いあられができるそうだ▼東京都江東区の米菓会社社長清水敬太さん(53)は、その魅力を受け継ぐ。祖父は専門店向けに受託生産する会社を設立し、みやこがねもちを採用。父の代で農薬や化学肥料を使わない有機米の農家と委託契約を結び、91年、大崎市古川に工場を建設した▼3代目の清水さんは通販で業績を伸ばしたが、東日本大震災で打撃を受けた。足立区の工場を閉鎖して一本化したばかりの宮城工場が被災し、生産が一時止まった。東京電力福島第1原発事故による風評被害が重なり、売り上げは急減した▼10年が過ぎ、有機米の安全性を発信して業績は持ち直したという。「あられは素材が命。みやこがねもちの素晴らしさを、地元の人にも知ってほしい」と清水さん。有機米を生産する宮城県加美町などの農家は、今月中旬に田植えを始める見込みだ。(2021・5・2)

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