デスク日誌(5/4):春色

 東北に春を告げる色彩には順番があると思う。
 まずはマンサクやサンシュユの黄色が冬に別れを告げ、続いてコブシ、モクレンの白。今か今かと待たせておいて、淡いピンクの桜、ではなかろうか。
 故人にこんな句がある。
 <さくら咲き陽が照る四月よろこばし さくらももこさん>
 うららかな「さくらの気分」。今年のように黄も白もピンクも一時に訪れるような気ぜわしい春とは、少し違うように思う。
 そういえば昨年、秋入学について気仙沼市の中学生に意見を聞く機会があった。答えは「ノー」。卒業、入学には桜が似つかわしいという理由だった。
 別れと旅立ち。思い浮かべる歌はと尋ねると、レミオロメンの「3月9日」と言う。人は流れる季節の真ん中にいると、歌は始まる。そう思わせる花は? つぼみの桜が登場する。
 桜はやがて、ふさわしい時期に咲いて、新たな一歩を踏み出した人の真白き背中を押すのだ。
 さて、4月中旬にはハナミズキが咲いてしまった。サクラよりやや紅の濃いこの花は、本当は5月が似つかわしいのだけれど。
(報道部次長 村上朋弘)

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