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石巻圏・新百景>奥松島遊覧船(東松島市宮戸)

嵯峨渓の切り立った崖の間近を進む遊覧船「嵯峨みらい」
遊覧船の見どころの一つ「メガネ崎」

<自然の美、威力伝える>

 東日本大震災後に新造された船が、切り立った崖の連なる海岸線をなぞるように進む。

 東松島市宮戸の「嵯峨渓」を巡る遊覧船は、震災で発着所と案内所が流失。4隻あった船も被災し、運航を休止した。

 再開したのは2013年10月。発着所は被害が少なかった里浜地区に移した。修繕した2隻に加え、15年4月には新造した「嵯峨みらい」が就航。17年5月には案内所が入った復興再生多目的施設「あおみな」も発着所近くに開業した。

 嵯峨渓は日本三大渓の一つに数えられる。波と風雨に浸食されてできた断崖絶壁や鋭利な岩肌の荒々しい姿は、優しい印象の松島と対比される。

 津波は名所の「みさご島」などの岩を崩した。遊覧船は雄大な景観をつくり出した悠久の歳月と、それを一瞬で変えた津波の威力を肌で感じられる。

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