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児童虐待 石巻地方20年度通告、過去最多122人 要保護対策協で報告

虐待防止に向けて関係機関の連携強化を確認した協議会

 虐待などの早期発見を目指して関係機関が情報交換する東松島市要保護児童対策地域協議会の本年度会議が14日、東松島市役所であった。2020年度に石巻地方3市町で虐待を受け、石巻署に通告があった児童(18歳未満)は過去最多の122人で、前年の2.4倍に上ることが報告された。

 虐待の内訳は心理的虐待が96人と8割を占め、児童の前で配偶者などへ暴力を振るう「面前DV」が目立つ。身体的虐待22人、養育怠慢・拒否が4人で続く。

 県東部児童相談所への虐待相談件数は309件(前年比28件増)あった。心理的虐待(面前DVなど)が過半数で、主な虐待者は実父・実母が8割を占めた。

 東松島市の20年度の要保護児童の取扱件数は111件(前年比8件増)。うち虐待が63件(11件増)でいずれも過去最多だった。

 通告が増えた要因について、岡島利明石巻署長は「関係機関との連携強化や、児童虐待が社会的に認知された結果」と説明。児相の久保健作所長は「新型コロナウイルスの感染拡大でストレスを抱えた家庭が増えたことも一因」と述べた。

 会議には、石巻署や児相、学校や幼稚園、民生・児童委員の代表ら12人が出席した。出席者からは「コロナ禍で家庭訪問ができず、内情に踏み込めない」「困窮や発達障害など課題が重複している家庭が多い」「家族の介護や育児を任されて通学が難しい『ヤングケアラー』の子がいる」などの報告があった。

 協議会は本年度、虐待予防に取り組む保育士らの研修や、妊娠期からの支援、関係機関の連携による早期発見に取り組むことを申し合わせた。

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