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石巻圏観光動態調査・昨年度 コロナ禍反映、県内客割合上昇

回答者の3割が足を運んだハマテラス周辺=女川町女川
観光客に人気の高かった石ノ森萬画館=石巻市中瀬

 一般社団法人石巻圏観光推進機構は、2020年度の石巻圏観光動態調査の結果を発表した。前年に比べ県内からの来訪者の割合が上昇したほか、一人旅客が増えるなど新型コロナウイルスの影響が表れた。

 調査期間は2020年10月1日~21年2月10日。石巻地方の宿泊施設や観光施設利用者にアンケート形式で行い、362件の回答を得た。新型コロナ感染拡大防止のため、例年行っていた街頭調査は見送った。

 来訪者の居住地の内訳は、県内48・1%、関東地方28・2%、東北5県・北海道13・8%。県内からの割合は前年より12・6ポイント上昇し、特に仙台圏からの来訪者が多かった。個人旅行が8割で、中でも一人旅は前年の16・2%から23・8%に伸びた。

 来訪目的は「食事・グルメ」が32・9%と最も高く、「自然観賞・散策」29・6%、「震災からの復興状況の見学」21・0%と続いた。施設別では、女川町のシーパルピア女川とハマテラスを訪れた人が全体の約3割に上り、石巻市の石ノ森萬画館と、いしのまき元気いちばも人気だった。

 宿泊を伴う旅行が7割を超え、平均消費額は前年より2000円以上アップした。機構の担当者は「国の『Go To トラベルキャンペーン』により、宿泊と消費額が伸びた可能性がある」と分析する。

 満足度について尋ねた設問では「非常に満足」と「やや満足」の合計が64・6%だった。エリア別では石巻54・4%、東松島67・7%、女川77・3%。まちの景観や自然、食事は満足度が高かった一方で、情報発信やアクセス面は課題が残った。

 コロナ禍に重視する旅行先の条件ついても調査し「自然が豊かな場所」「車移動が可能な場所」などが挙がった。

 同機構の担当者は「調査結果をもとに自然の豊かさなどをアピールし、仙台圏からの誘客を強化したい」と話した。

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